34年ぶり赤字のNHK:高すぎる人件費が赤字の原因?
NHK、34年ぶり赤字の原因はどこにある? ネトフリと比べて分かる“いびつ”な構造(1/6 ページ) - ITmedia ビジネスオンライン
NHKが34年ぶりに赤字になったとして話題になった。赤字の原因を見ていくと、いびつな構造が明らかになる。
NHKが34年ぶりに赤字になったことが話題になっています。
2024年3月期の決算によると、NHKの収入は約6531億円でしたが、支出は6668億円もあり、その結果136億円の赤字となりました。こ
特に注目すべきは、人件費(職員の給料や福利厚生の費用)がとても大きいことです。
NHKの職員の給料は約1100億円、退職手当や厚生費は約443億円で、合計で約1500億円が人件費に使われています。これはNHKの売上の約4分の1にあたります。
民間テレビ局との比較
NHKの人件費の割合は、他の民間テレビ局と比べてとても高いです。例えば、日本テレビの2021年度の決算によると、人件費は売上の約10%です。他のフジテレビやTBSなどのテレビ局も同じく人件費の割合は約10%前後です。
それに対して、NHKは売上の約25%を人件費に使っており、民間テレビ局の2.5倍も高くなっています。
この高い人件費が、NHKの赤字の原因の一つと考えられます。NHKは受信料の収入が減っているのに対し、支出、特に人件費を減らせていないことが問題です。
NHKの人件費が高い理由
NHKの人件費が高い理由には、次のようなことがあります:
- 内部制作が多い:
NHKは多くの番組を自分たちで作っています。そのため、多くの職員を雇用しています。一方で、民間テレビ局は外部の制作会社に番組を作ってもらうことが多く、職員数を減らせます。 - 高い給与水準:
NHKの職員の平均年収は約1100万円で、これは民間企業の平均年収(約440万円)の2.5倍です。この高い給料が人件費の増加につながっています。 - 年功序列の昇進制度:
NHKでは勤続年数に応じて給料が上がる年功序列の制度を採用しており、長く働くほど人件費が増えます。
これらの理由から、NHKの人件費は他の民間テレビ局に比べて高くなっています。
民間テレビ局とNHKの違い
民間テレビ局とNHKには、運営方法やビジネスモデルに大きな違いがあります。
- 収入源の違い:
民間テレビ局は広告収入が主です。NHKは受信料を主な収入源とし、広告の影響を受けずに中立的な番組を作れます。 - 番組制作の目的:
民間テレビ局は視聴率を重視し、人気のエンタメ番組を多く作ります。NHKは教育や文化、ニュースなど公共性の高い番組を重視しています。 - 経営の透明性と責任:
NHKは公共放送として、経営の透明性と社会的責任が強く求められます。受信料の使い道を説明する義務があり、公平な情報提供が必要です。民間テレビ局は利益を追求し、視聴率の高い番組でスポンサーから収入を得ることが重要です。
BBCとの比較で見えてくる課題
NHKと同じ公共放送であるイギリスのBBCは、NHKとは異なるビジネスモデルで運営されています。
BBCは商業部門であるBBC Studiosを通じて番組の権利を売り、国際的な収益を得ています。また、「iPlayer」というオンデマンドサービスを提供し、デジタル化にも対応しています。
一方で、NHKは受信料に大きく依存しており、多様な収益源を確保できていないことが課題です。また、国際放送への投資も少なく、国際的な影響力や収益性が弱い状況です。
NHKの今後の課題と提案
NHKがこれからも持続可能な公共放送として存在するためには、次のような改革が必要です:
- 多様な収益源の確保: 受信料以外の収入源を増やし、収益の構造を強化する。
- デジタル化戦略の強化: オンデマンドサービスや国際市場への展開を強化し、デジタル時代に対応する。
- コスト削減: 特に人件費を効率化して、経費削減を進める。
NHKが国内外の視聴者に価値を提供し続けるためには、持続可能な改革と新しい収益モデルが必要です。BBCのように国際的な収入源を確保し、日本国内外での影響力を高めることが重要です。
まとめ
- NHKは34年ぶりに赤字になった(収入より支出が多かったため)
- NHKの人件費は他のテレビ局と比べて非常に高い
- NHKは自社で番組を作る割合が多く、給料も高いため人件費が高い
- 民間テレビ局は広告収入が主な収入源だが、NHKは受信料を収入源にしている
NHKの赤字について考えると、公共放送の役割や価値についても考え直すきっかけになります。
みなさんの家庭では、NHKをどのくらい見ていますか?受信料を払う意味や、NHKがこれからどう変わっていくべきかについて、家族で話し合ってみましょう。
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