少子化の影響も?総合型・推薦型が増える私立大学入試
私立大学入試「総合型+推薦型」が6割…一般選抜は3割台、大学の意義低下か | ビジネスジャーナル
私立大学の入学者のうち、「総合型+推薦型(公募制、指定校制、付属校・系列校)」での入学者が全体の56.1%を占める一方、一般選抜を経る入学者が全体の4割を切り38.8%となった。
大学入試にはいろいろな種類があります。2024年、私立大学の入試では、一般選抜で入学する人が38.8%に減少しました。これは、大学が総合型や推薦型選抜を増やしているからです。でも、なぜ一般選抜は減っているのでしょうか?その背景には、大学経営や少子化の問題が大きく関わっています。大学が一般選抜を減らしている理由について、考えてみましょう。
大学入試の種類
- 一般選抜
一般的に「受験」と呼ばれる方法です。主に学力試験で評価されます。試験の内容は、各大学が独自に実施する「個別試験」と、全国統一の「大学入学共通テスト」があります。 - 総合型選抜(旧AO入試)
志願者の学力だけでなく、やる気や特技、活動実績などを総合的に評価する入試方法です。面接や小論文、活動実績の提出などが選考基準となります。自分の強みをアピールしやすい選抜です。 - 学校推薦型選抜(旧推薦入試)
高校の推薦を基にした入試方法です。高校での成績や活動が重要視され、推薦書や面接などを通じて評価されます。「指定校推薦」や「公募推薦」などの種類があります。
総合型・推薦型選抜を増やす理由
- 早く入学を確定できる
総合型選抜や推薦型選抜は、入試が早く行われ、合否も早めに決まります。これにより、大学は年内に入学者を確保でき、経営が安定しやすくなるのです。たとえば、一般選抜は受験シーズンが1月や2月ですが、総合型や推薦型はそれよりも早く、秋や冬に合否が決まることが多いです。これによって、大学は早い段階で次の年の入学者を安心して決めることができます。 - 学力以外も評価できる
総合型や推薦型選抜では、学力だけでなく、その人のやる気や特別な能力も評価されます。たとえば、スポーツやボランティア活動で活躍している生徒も合格しやすくなるため、多くの生徒が挑戦しやすい方法といえます。これにより、大学は多様な学生を集めることができるのです。
少子化が大学に与える影響
日本では子供の数が減っており、大学に進学する生徒の数もどんどん少なくなっています。これは「少子化」と呼ばれ、特に私立大学にとって大きな問題です。私立大学は、学生からの学費で運営しているため、学生が減ると経営が苦しくなってしまいます。
- 定員割れが増えている
少子化が進むと、定員に達しない大学が増えてきます。これを「定員割れ」といいます。定員割れが続くと、大学の経営がさらに厳しくなり、最悪の場合は大学が閉鎖されてしまうこともあります。実際、2024年には私立大学の約59%が定員割れしているというデータもあります。つまり、多くの大学が学生を確保するために努力しています。 - 競争が激しくなっている
少子化によって、大学間での競争も激しくなっています。特に地方の私立大学では、学生の数が大都市に比べて少ないため、定員割れが深刻な問題です。このため、大学はできるだけ早く学生を集めようと、総合型や推薦型を積極的に取り入れています。
一般選抜が減る理由
少子化により、大学は「早めに入学者を確保したい」という理由で、総合型・推薦型選抜を増やしています。また、一般選抜だけではなく、より多くの生徒にチャンスを与えるため、学力以外の面も評価する方法が広がっているのです。これにより、一般選抜の割合は減ってきているのです。
まとめ
- 少子化:子供の数が減り、大学に進学する生徒も減少
- 定員割れ:定員に満たない私立大学が増え、大学の経営が厳しくなる
- 総合型・推薦型選抜:早く合否が決まり、学力以外の評価もできる
- 一般選抜の減少:大学は早めに学生を確保するため、一般選抜が減少している
みなさんも、もし大学に進学するときには、自分に合った入試の方法を考えることが大切です。総合型や推薦型は、学力だけでなく、自分の個性や経験を評価してもらえるチャンスです。自分がどんな大学で、何を学びたいかを少しずつでも良いので考えてみてください。
大学も、会社と同じように「経営」をしていく必要があります。生徒を集めるために、大学は授業の内容を工夫したり、設備を良くしたりして魅力を高めています。また、入学者が減るとお金が足りなくなるため、大学も資金繰りを考えなければいけません。もし、みなさんが大学の経営者だったら、どのような工夫をしますか?生徒にとって魅力的な大学を作るためには何が必要でしょうか。自分が入りたい大学とは?を考えてみるのもヒントになるかもしれません。
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