「2024年問題」解決にはまだ遠い?トラック運転手さんの働き方
荷待ち・荷役、横ばい3時間 トラック運送、改善途上|47NEWS(よんななニュース)
物流の「2024年問題」を契機としたトラック運転手の労働環境改善は道半ばだ。国土交通省が19日までに発表した24年度の調査結果によると、長時間労働の原因とされる荷待ちや荷役の時間は、1回の運送当たり ...
近年、トラック運転手の労働環境改善が注目されています。しかし、「2024年問題」の解決にはまだ課題が残っています。
拘束時間は短縮されつつあるものの、荷待ちや荷役時間の改善が進んでいません。この背景や解決策を探ってみましょう。
「2024年問題」とは何か?
「2024年問題」とは、トラック運転手の働き方を改善するための新しい法律で、2024年4月から年間残業時間が960時間までに制限されました。この法律は運転手の健康を守る目的がありますが、物流業界では以下の課題が生じています:
- 輸送能力の減少:
運転時間が短くなるため、トラックが稼働できる時間が減ります。 - 物流費の増加:
新しい技術や人材雇用の必要性からコストが上がります。 - 配送の遅れ:
消費者や企業に影響を与える可能性があります。
荷待ち・荷役時間の現状
荷待ちとは、配送拠点で順番を待つ時間のこと、荷役とは荷物の積み降ろし作業のことです。
国土交通省の調査によれば、2024年度のトラック運転手の1回あたりの平均拘束時間は11時間46分と短縮傾向にあります。
しかし、荷待ちや荷役時間は3時間2分と横ばいで、政府が目標とする「2時間以内」には達していません。この時間は、配送拠点での待機や荷物の積み下ろしに費やされるものであり、大きな改善課題として残されています。
改善策はどこまで進んでいるのか?
荷待ちや荷役時間の短縮には、以下の取り組みが有効とされています:
- トラック到着時刻の予約システム:
待機時間を減らし、スムーズな物流を実現 - パレットの規格統一:
荷物の積み下ろし作業を効率化 - 荷主との連携:
配送スケジュールの調整や業務効率化への理解促進
ただし、これらの施策が十分に浸透していない背景には、コスト面の課題や関係者間の意識のずれがあります。このため、業界全体での協力が求められています。
自動運転トラックが示す未来
「2024年問題」の解決策として、大王製紙は自動運転トラックの導入を目指しています。
2025年3月から、関東―関西間の高速道路での実証実験が予定されています。このプロジェクトでは、ドライバーが同乗する「レベル2」の自動運転技術を活用し、最終的には2027年度に「レベル4」の完全自動走行を目指します。
この技術が普及すれば、次の効果が期待されます:
- 長距離輸送の効率化
- ドライバー不足の緩和
- 物流費の削減
ドライバーたちの貢献とその重要性
物流は、ドライバーの努力なしには成り立ちません。例えば、スーパーに並ぶ新鮮な食品やインターネットで注文した商品がスムーズに届くのは、早朝や深夜に働くドライバーたちのおかげです。また、災害時には生活必需品を被災地へ届け、多くの命を救っています。効率化が進む中でも、彼らの重要性は変わりません。
まとめ
- 2024年問題はトラック運転手の働き方を改善するための新しい法律を作り、働く時間を制限
- この法律により、輸送能力不足やコスト増加という課題を生んでいる
- トラック運転手の拘束時間は改善傾向にあるが、荷待ちや荷役時間の改善が必要
- 自動運転トラックの導入やパレット規格統一などの技術革新が進んでいる
- ドライバーの貢献は、物流の現場において不可欠
物流の課題解決は、消費者である私たちにも関わる問題です。以下の方法で、ドライバーや物流業界を支えることができるのではないでしょうか。
- 買い物をまとめて注文し、配送回数を減らす。
- 配送時間帯に柔軟に対応し、効率的なスケジュールに協力する。
- 地元の店舗での買い物を増やし、配送距離を短縮する。
- 地域の物流イベントに参加し、業界への理解を深める。
物流業界の未来を支えるために、私たち一人ひとりができることを考えてみましょう。
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