NYダウ急落:金利政策とトランプ次期政権の経済政策の関係
日経平均株価 一時700円超の大幅下落 要因はアメリカ金融政策の変化 NY市場は50年ぶりに10営業日連続の下落 | TBS NEWS DIG
東京株式市場で日経平均株価は一時、700円を超える大幅な下落となりました。さきほど始まった東京市場は幅広い銘柄に売り注文が出ていて、日経平均株価は一時700円の値下がりとなりました。要因はアメリカの金融政…
アメリカの株式市場で「NYダウ」が50年ぶりに10日連続の下落を記録しました。特に、約1100ドルの急落が話題になっています。この大きな動きの背景には、FRB(米連邦準備制度理事会)が行う金利政策が大きく影響しています。
この記事では、FRBの金利政策とは何か、それがどのように株価に影響するかを考えてみましょう。
FRBの金利政策って何?
FRBはアメリカの中央銀行として、金利を調整することで経済全体をコントロールしています。金利を上げると、お金を借りるコストが増え、人々や企業は支出を控えるようになります。一方、金利を下げると借りやすくなり、経済活動が活発になります。
金利政策の主な目的は次の3つです:
- 物価の安定:物価が急に上がりすぎないようにする
- 雇用の安定:多くの人が働ける環境を作る
- 経済成長の維持:安定した経済の成長を目指す
NYダウが下がった理由は?
NYダウが下がった主な原因は、FRBが利下げのペースを緩やかにする方針を発表したことです。
このニュースを受け、投資家たちは「景気の回復が遅れるのでは」と不安になり、株を売る動きが広がりました。その結果、NYダウは10日連続で下がり、合計で約1100ドル以上の値下がりを記録しました。
FRBが慎重に利下げする理由
- インフレを防ぐため
最近、アメリカでは物価が上がり続けています。金利を急に下げると経済が過熱し、さらに物価が上がる「インフレ」が起こる可能性があります。 - 景気のバランスを保つため
金利を急激に下げると、多くの人や企業がお金を借りすぎて返済に苦しむことがあります。これを防ぐため、慎重に利下げを進めています。 - 長期的な経済の安定を目指すため
短期的な刺激よりも、長期的に安定した成長を維持することが重要です。そのため、急な利下げは避けられています。
金利政策が株価に与える影響
金利政策は、株価に直接的な影響を与えます。
- 金利が上がると、企業が借金をしづらくなり、利益が減少するため株価が下がりやすくなります。
- 金利が下がると、企業活動が活発になり、株価が上がる傾向があります。
今回のFRBの発表で投資家たちは「景気の回復に時間がかかる」と予測しました。その結果、売りが進み、NYダウが連続して下落する事態となったのです。
トランプ政権の経済政策も、FRBの金利政策に影響を与えています。
トランプ次期政権の主な政策
トランプ政権の経済政策も、FRBの金利政策に影響を与えています。
- 関税の引き上げ
外国から輸入する品物に高い税金をかける政策で、国内産業を保護する狙いがあります。ただし、輸入品の価格が上がり、物価全体の上昇につながるリスクがあります。 - 減税政策
個人や企業の税金を減らして経済を活性化させる政策ですが、これもインフレの要因となる可能性があります。 - インフラ投資
道路や橋などの公共事業に多額の資金を投入することで、雇用を増やし景気を押し上げることを目指しています。しかし、これも物価上昇の原因になる可能性があります。
FRBは、これらの政策が引き起こすインフレを抑えるため、慎重な金利調整を行っています。
日本への影響
NY市場の動きは、日本の経済にも影響を与えます。
- 日経平均株価の下落:NYダウの影響を受けて、日経平均株価も19日朝の取引開始から一時700円以上下がりました。
- 円安の進行:アメリカと日本の金利差が広がることで、円安が進みました。これにより、輸入食品やガソリンなどの価格が上昇し、家計の負担が増える可能性があります。
まとめ
- FRBの金利政策は、物価の安定や経済の成長を目的にしている
- NYダウの下落は、FRBが利下げペースを抑えると発表したことが原因
- トランプ政権の経済政策も、金利政策に影響を与える
- 日本経済にも影響が及び、株価や円相場に変動が起きた
政府と中央銀行はそれぞれ独立して役割を果たしています。
例えば、政府は税金や公共事業で経済を動かし、中央銀行であるFRBは金利政策で物価や景気を安定させようとします。この2つがどのように関わり合いながら経済を動かしているのかを調べてみることで、日本は世界と経済でもつながっていることに気づくことができるはずです。
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