上場する東京メトロ、都営地下鉄との合併は遠のく?

東京メトロが東証プライムに10月23日上場、時価総額6400億円規模 - Bloomberg

東京地下鉄(東京メトロ)が東京証券取引所プライム市場に10月23日付で上場する。同社が9月20日に関東財務局に提出した有価証券届出書で開示した。

みなさんは「上場」ということばを知っていますか。
東京の地下鉄を運営する、東京メトロが今年の10月末に株をみんなに売る「上場」をします。これは株式市場にとって、とても大きな出来事です。上場で、東京の地下鉄がもっと便利になるかもしれません。
この記事では、どうして今この上場が行われるのか、都営地下鉄との合併がっぺいの話についても考えてみます。

東京メトロの上場って何?

東京メトロは、東京の多くの人が使う地下鉄を運営しています。今年、東京メトロは東京証券取引所に上場し、みんなに株を売る予定です。
これにより、国や東京都が持っている東京メトロの株の半分を売ることになります。このお金は、東日本大震災からの復興や、東京の新しい地下鉄をつくるために使われます。

なぜ今、上場するの?

今年、日本の経済が少しずつ良くなってきていて、東京メトロの利用者も増えました。これが、東京メトロが今上場する理由の一つです。
また、この上場でたくさんのお金を集めることで、新しい路線を作ったり、古い電車をもっと便利にしたりすることができるのです。

都営地下鉄との合併はどうなるの?

東京都は、東京メトロと都営地下鉄を一緒にしようと考えていたことがありました。もし合併すれば、電車の乗り換えが簡単になったり、運賃が安くなるかもしれません。でも、東京メトロは利益を出している会社で、都営地下鉄は赤字なので、合併は難しくなっています。

株主にとってのデメリットって?

もし東京都が都営地下鉄を売って、東京メトロと合併したら、株を持っている人たちにとっては大きな問題がいくつかあります。

  • 経営の混乱
    東京メトロと都営地下鉄は、別々に管理されています。これらを合併すると、経営の方法が違うため、混乱が起こりやすくなります。サービスが悪くなったり、経費(かかるお金)が増えたりするかもしれません。
  • 株価が下がるかも
    合併で会社が大きくなると、一時的に株の値段が下がることがあります。また、合併後の会社の未来がはっきりしないため、株を売りたくなる人が増えて株価が下がることもあります。
  • 経営方針の違い
    東京メトロは上場することで、お金をもうけることをこれまで以上に大事にすることになりますが、都営地下鉄は東京都が運営しているので、みんなに便利なサービスを提供することを重視してきました。この違いを合併のときに上手にバランスをとらないと、株主にとって損になることがあります。
  • 赤字の影響
    都営地下鉄はお金がもうかっていないので、合併すると東京メトロもその赤字を受けつぐことになります。これでは会社のお金の状況が悪くなり、株を持っている人への配当が減るかもしれません。
東京の地下鉄の未来

東京の地下鉄は世界でも評価が高いです。上場後、東京メトロはさらに良いサービスを提供するために努力するでしょう。株主の目が入ることで、もっと便利な地下鉄になることが期待されています。新しい路線の建設や、今ある地下鉄の改善も進むでしょう。

まとめ
  • 東京メトロは10月末に上場予定
  • 国と東京都は株の50%を売却
  • 売却資金は震災復興や新しい地下鉄に使われる
  • 都営地下鉄との合併は難しい状況
  • 合併には株主にとってリスクがある

東京メトロが上場することで、地下鉄の運賃がどう変わるか、もっと便利になるのかを考えてみましょう。また、「合併」という、違う会社が1つになることの良い点やむずかしい点を考えることは、ビジネスの世界を知る良いチャンスです。

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記事作成者

清水 裕矢 | Shimizu Yuya
清水 裕矢 | Shimizu YuyaProgress CFO / こども未来投資プロジェクト 代表理事
山口県防府市出身。大学卒業後に学習塾講師、パソコンインストラクター/営業を経て、外資系産業ガス企業に入社。以降、複数企業・複数業種の財務経理責任者・CFO歴任。こどもの金融リテラシー講座 CA$H! 講師/カリキュラム・テキスト作成。
「会計・IT・英語があれば、仕事に困らない」がポリシー。nine inch nailsやMetal Coreを愛聴。