詩でひとの心をつかむ高校生の感性
石川啄木の「後輩」、盛岡の女子高校生が詠んだ短歌が「いいね」3万超え : 読売新聞
【読売新聞】 プールの水 飲んだら死ぬと思ってた こわいものはそれだけだった――。盛岡市の女子高校生が詠んだこの短歌がSNS上で話題になっている。「みずみずしい感性」「心にしみる」などの反響を呼び、投稿に付いた「いいね」は3万を超え
みなさんのなかには、学校で「短歌」を習ったひとも多いのではないでしょうか。短歌とは、「五・七・五・七・七」という三十一文字で表現する詩のことです。
岩手県盛岡市の女子高校生、佐々木麻佑子さん(17)が書いた短歌が話題です。佐々木さんは子供のころ、ガムをまちがって飲んでしまい、「死んじゃうのかな」と思った時の感覚をプールの水におきかえて、短歌にしました。
佐々木さんの短歌はJR東日本の月刊誌「トランヴェール」8月号にのり、読んだ人がそれをX(旧ツイッター)に投稿。「いいね」が3万以上集まり、「みずみずしい感性」「心にしみる」と色々な人にほめられたのです。また、8月にあった全国高校生短歌大会(短歌甲子園)では、「雨」について詠んだ短歌も、審査員5人全員から高く評価をされました。
雨が好き あの子の笑顔も青空も ぜんぶ 嘘 だったと思えるから
佐々木麻佑子さん
佐々木さんは岩手県立盛岡第一高校の3年生で、有名な詩人である石川啄木と同じ高校です。石川啄木は『一握の砂』という作品集をのこしています。結核という肺の病気になってしまい、27歳という若さで亡くなってしまいます。
佐々木さんは短歌の魅力を「気持ちや出来事を言葉で表現できること」と話しており、大学では心理学や哲学を学んで考え方を広げたいと考えています。
「自分の感じたこと、思ったことを言葉にしてあらわす」こと。これは言葉を話すことができるわたしたち人間に与えられた能力です。なんでも「ヤバい」と言ってしまう若者に文句を言うおとなもいますが、せっかくの能力、いろいろな表現を使えるようになりたいですね。