
教育情報メディア「ACTIVE!」x 社会経済ニュースメディア「キッズノミクス」共同企画
大学の経済・経営学部を探検!
関西大学 経済学部長
榊原 雄一郎 先生【第2部】
※第5部は
教育情報メディア ACTIVE! に掲載しています。
はじめに
こどもと一緒に楽習する教育情報メディア「ACTIVE!」と社会・経済ニュースメディア「キッズノミクス」では、「好奇心を刺激する学び」をテーマに記事の配信に取り組んでいます。
今回は両メディアの共同企画「大学の経済・経営学部を探検!」と題した特集記事をお届けします。

今回は、関西大学経済学部の榊原教授をお迎えし、経済学部の学びの魅力やカリキュラムの特色についてお話を伺いました。
地域経済論を専門とする榊原教授に、都市の発展や経済構造の違いを通じて「広い視野で社会を理解すること」の大切さを教えていただきました。また、関西大学ならではの教育環境やゼミでの学び、学生たちの就職先の動向についても触れ、現代の学生が持つ課題や未来の可能性についてもお伺いしています。
進路選びに悩む学生やその保護者の皆さんにぜひ読んでいただきたいインタビューです。
インタビューにご協力いただいた先生

榊原 雄一郎 先生
関西大学
経済学部 学部長
地域経済論を専門とし、都市の発展や産業集積に関する研究に取り組む。東北大学で経済学を学び、関西大学にて長年教育・研究活動を行い、地域経済の視点から日本各地の都市や産業の動向を探求。学生に経済の面白さを伝え、広い視野を持った社会理解を促す教育に力を注いでいる。
大学選びは偏差値だけじゃない!
関西大学経済学部の魅力とは?

高校生が経済学部への関心を持っていても「数学が苦手だからやめよう」という理由で断念する場面をこれまで何度も見てきました。
榊原先生:そのような状況は致し方ない部分もあるかもしれませんが、関西大学経済学部をインターネットで検索すると、次に出てくる予測キーワードが「偏差値」と出てくることがあります。確かに偏差値で並べると大学がピラミッドのように見えるかもしれませんが、それぞれの大学には独自の特徴がありますよね。
その特徴に目を向けてほしいと、私は強く考えています。「関関同立」と言われるのは関大としてありがたい部分もありますが、それだけでなく、関西大学経済学部の「生の姿」を見てもらいたいと思っています。これが学部長として非常に強く思っていることですので、こうした場を通じて情報発信を積極的に行いたいと考えています。

本当にそうですね。学部長がおっしゃったように、それぞれの大学には特色があり、そこには本当に良い学びがあります。偏差値だけを比べて選択肢から外してしまうのは、あまりにももったいないと思います。
特に関西大学経済学部の特色について、「ここは推しだよ!」というところを教えていただけますか?
榊原先生:本学の経済学部のパンフレットには1年生から4年生まで取れる科目の一覧が載っています。関西大学の経済学部では、教員の数が50名を超えています。他の大学にも50名ほどの教員がいるところはあるのですが、教養の先生が含まれていることが多いです。
関西大学では経済学部の専門科目を担当する教員がこれだけそろっているため、多岐にわたる経済学のテーマを提供できることが、何よりの大きな特徴です。この特徴を生かして、カリキュラム面では、基本的な科目から応用の科目まで幅広くカバーしています。私が担当する科目である地域経済論は産業・企業経済コースに属していて、どちらかといえば現実の経済寄りの応用科目です。
カリキュラムの中で学べる内容が、まるで階段を上がるように段階的に進んでいけるのが経済学部の大きな特徴だと思います。これがまず推したいポイントの一つですね。

2点目としては、今データ分析がすごく注目を集めていますが、関西大学でも来年からビジネスデータサイエンス学部が開講する予定です。このビジネスデータサイエンス学部とは別に、経済学部でもデータ分析のスキルを身につけられるようなカリキュラムを整えています。
例えば、経済学部には全員が受講する「経済学ワークショップ」という科目があります。
例えば、経済学部には全員が受講する「経済学ワークショップ」という科目があります。
ワークショップ1では、プレゼンテーションやレポート作成の基礎を学びます。そしてワークショップ2では、自分たちのノートパソコンを使いながらデータ分析の基礎を実践的に学びます。こうした取り組みによって、経済学部生が数値に強くなるよう育成しています。

本当に多彩なカリキュラムがありますね。この2年生のワークショップ2は必須なのでしょうか?
榊原先生:必履修ではありますが必修科目ではありません。導入科目も基本科目も、今のカリキュラムでは必修としているものは少ないです。ただ、「ミクロ経済学入門」と「マクロ経済学入門」だけは必修科目になっています。
他の科目は自由度が高く、学生が自分の興味に応じて選択できるようになっています。例えば、3年生や4年生では少人数のゼミで卒業論文を書いたり、ゼミを取っていない学生向けには「経済学プロジェクト演習」という少人数授業もあります。

それは独特なスタイルですね。
榊原先生:はい、間違いなく関西大学経済学部の大きな特色です。経済のプロとして教える先生方が集まっているからこそできる充実したカリキュラムだと思っています。
最近のトレンドを取り入れて、例えば行動経済学やデータ分析の基礎といった科目も揃っています。データ分析入門では、構造推計など、最近流行りの経済学の手法も取り入れています。
こんなに幅広く学べる経済学部は本当に関西大学くらいではないかと自負しています。

経済学部にはこんなに多くの科目があるのですね。学生が科目を選ぶ際、どのように選択しているのでしょうか?
高校生が大学に進学して、いきなりたくさんの科目から選ぶとなると、やはり戸惑うこともありそうですね。
榊原先生:そうですね。高校での学びと大学での学びの大きな違いがそこにあるとも言えます。
カリキュラムの仕組みとして、まずは1年生に導入科目というカテゴリーを設けて、科目を選択しやすい工夫が整っています。また、幅広く興味や関心を広げるための共通教養科目は1年生から履修できるため、「科目を選ぶ」トレーニングを始めます。
そして、2年生から専門科目としての「基本科目」を自分で科目選択し、コースごとにカテゴライズされている展開科目を履修しながら自分の興味ある分野を見出していき、3年生に向けて4つのコースに所属するステップを踏みます。
自由度が高いなかでも、学生が自分の学びの興味を深めていくための積み上げ式のカリキュラムが構成されています。
関西大学 経済学部長
榊原 雄一郎 先生 インタビュー
※第5部は
教育情報メディア ACTIVE! に掲載しています。
インタビューにご協力いただいた大学のご紹介
関西大学
大阪府吹田市山手町3丁目3番35号
関西大学は1886年に創立された歴史ある総合大学で、大阪府に複数のキャンパスを構えています。幅広い分野の教育を提供し、社会で活躍できる人材の育成に努めています。豊かな学びと多彩な経験を通じて、地域社会に貢献することを目指しています。
関西大学経済学部は、基礎から応用まで幅広い経済学の知識を学べるカリキュラムを提供しています。ミクロ・マクロ経済学やデータ分析など多岐にわたる科目が揃っており、少人数制のゼミで実践的なスキルを磨く機会も豊富です。現代の経済課題に対応できる人材の育成を目指し、学生の自主的な学びをサポートしています。